ごあいさつ
私の制作拠点は、熊本の金峰山近くの河内町岳という小さな里山です。夏目漱石の作品「草枕」のモデルとなった石畳の小道が近くにある、静かな環境に位置しています。
2016年以来、竹の持つ「素朴で力強い」素材をいかしつつ、生活に根ざした竹かごづくりに取り組んできました。おかげさまで、平成28年度の「日本民藝協会賞」を受賞したことをきっかけに、ますます制作活動に力が入っている状況です。
最近は注文や製作依頼が増えており、オーダー品は少々お時間をいただいております。即納できる竹かごはごくわずかですが、ご家庭での暮らしの中でひっそりと「そこにある」ような製品になれば、私も大変うれしいです。
青竹・竹製品の魅力
青竹のつやつやと若々しい色合いは、大変うつくしいものです。割ったり剥いだりすると青竹のいい香りがなんとなく癒される、落ち着かせてくれる気がします。
竹は昔から生活の道具として使われてきました。縄文時代の遺跡から竹かごが発掘されたと聞いたことがあります。それは、割ったり削ったりしやすいため扱われてきたのかなと思います。
私は、山で竹を見極めて伐採してそれで一本一本ひご(材料)を作り手で編んで作っていきます。作りたての青い(淡い緑色の)籠は、生活の中で使っていくことで飴色にゆっくりと変化していきます。どうぞ、あなただけの籠として末永くお使いください。
城戸 繁延